YAMATOMIRAI > 文化創造拠点シリウス > イベントレポート > 市民参加劇『私たちのやまと物語』
イベントレポート
音楽・文化
【目的】
ホールと演劇のプロ・一般市民が協力し、大和発の演劇作品に取り組む。ホールという非日常の空間に立ち、大和市の歴史が舞台背景となる作品に出演することで、やまと芸術文化ホールと地域(大和市)を身近に感じていただく契機とする。
【取り組み内容】
・3月の演劇ワークショップ、4月の出演者オーディションを経て、5月は演出家の高橋正徳氏、脚本の斉藤祐一氏、アシスタントの江頭一馬氏・柴田美波氏ら文学座所属の演劇のプロを迎えて、稽古が始まりました。
・出演者は10代~80代と幅広い世代の方々です。演劇は初参加の方も、経験がある方も一斉に集う貴重な機会となりました。約3ヶ月間の稽古では、脚本を読む作業から始まり、実際に動きを付けながら台詞を読んだり、役柄に合わせて表現したり、最終的には全ての台詞を暗記するという重大任務を伴いながら、限られた時間の中で取り組みました。
・稽古は平日も休日も行うため、参加が難しい方もいました。その都度、他の出演者が代役を務めたり、お休みされた方に引継ぎをしたりと、時間が経つにつれチームワークが生まれていきました。
・本番は2日間公演でした。朝早くから発声練習をしたり、他の出演者と台詞合わせをしたり、転換の確認をしたりと直前まで真剣に取り組んでいました。出演者によっては僅かな時間で着替えをする場面もありましたが、出演者同士で協力し、出番のない出演者が裏で衣裳を調えたり、着替えの補助をしたりなど驚くほどチームワークが出来上がっていました。 ・稽古中からコミュニティが出来上がっていましたが、初日の終演後には出演者同士で台詞の再確認をしたり、気付いた点を話し合ったりなど、強い関係性が生まれました。
【成果】
・演劇を通して私たちの身近にある大和市の日常を描く中で、人間の営みについて考え、性別や年代を越えて、ホールという場がアーティストと市民をつなぐ場となる良い契機となりました。
・演劇経験の有無を問わず、出演は全て市民キャストという中においても、プロの演劇人が脚本・演出・舞台の制作を行うことにより、完成度の高い作品を創り上げることが出来ました。
・観客の方からは「一般市民とは思えないクオリティだった」「自分の友人の違う一面を見た」など、喜びと驚きの声が多数ありました。また、出演者からは「新しいコミュニティの確立」「日常とは違う体験」「幅広い世代と交流」がこの演劇を通して得られた、との声をいただきました。